2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

(『平家物語』)

沙婆(しゃば)の栄花は夢のゆめ この世で栄華をきわめたとて、それは一瞬にして消える夢の中の夢のようなはかないものである。

(『発心集』序)

心の師とは成るとも心を師とする事なかれ 人間の心はともすれば五欲の虜(とりこ)となり、限度のない深い迷いの世界に陥りがちなので、このような心を統御する心の師となるべきであり、決して心を師として情意に振廻されてはならない。

(『狭衣物語』)

つらきは道のしるべ 人の心のつれなさは、私を仏道に導く機縁である。

(『日本霊異記』)

過去の因を知らむと欲(おも)はば、其の現在の果(か)を見よ。未来の報を知らむと欲はば、其の現在の業(ごう)を見よ。 過去の原因を知ろうと思うなら現在の結果を見るがいい。未来の報いを知ろうと思うなら現在の所業を思い返して見よ。

(芥川龍之介『侏儒の言葉』)

わたしは不幸にも知つてゐる。時には嘘によるほかは語られぬ真実もあることを

(与謝蕪村『俳題正名』序)

時に臨んで其の法を背くも又法とす 時と場合によっては、その規則にそむくことも、また新たな規則となるのだ。