2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

天台智邈『法華玄義』

開く時は、一切都(すべ)て妙にして、実相に非(あら)ざるは無し。 〈解釈〉(蓮華の花が)開くと、一切のものが妙となり、真実の相状でないものはなくなる。

道元『学道用心集』

師の説を聞いて、己見(こけん)に同ずることなかれ。 〈解釈〉導く師の説を聞いて、それを己の見解(考え)の尺度に同ぜしめてはならない。

最澄『顕戒論』

大海(だいかい)の水は蚊飲(ぶんいん)を遮(しゃ)せず。 〈解釈〉大きな海だといって、かすかな蚊がその水を飲むことをさまたげるものではない。

臨済義玄『臨済録』

無事是れ貴人(きにん)なり、但(た)だ造作(ぞうさ)すること莫かれ。 〈解釈〉平凡なことが最もすばらしいことである。あれこれと思案をめぐらさぬことだ。

『中部経典』

過去を追うな、未来を願うな。過去は過ぎ去ったものであり、未来はいまだ到っていない。現在の状況をそれぞれによく観察し、明らかに見よ。今なすべきことを努力してなせ。

最澄『顕戒論』

己(おのれ)が長(ちょう)を恃(たの)むことなし、何(なん)ぞ彼(か)の短(たん)を談ぜん。 〈解釈〉自分のすぐれているところにたよることもできないのに、どうして他人の欠点をあれこれ言えようか。

一遍の言葉『一遍上人語録』

本来無一物(むいちもつ)なれば、諸事において実有我物(じつうがもつ)のおもいをなすべからず。一切を捨離(しゃり)すべし。 〈解釈〉私たちがこの世に生まれてきたときは何も所持していない。また、すべてのものは仮の存在であり、自分の物として、確実…

『ダンマパダ』

他人の目的のために自分のつとめを捨て去るな。

道元『典座教訓』

他は是れ吾(われ)にあらず。 〈解釈〉他人(かれ)の生は他(かれ)の生で、私そのものの生ではない。

日蓮『南条兵衛七郎殿御書』

善なれども大善(だいぜん)をやぶる小善(しょうぜん)は悪道に堕(お)つるなるべし。 〈解釈〉善であっても、大善を破壊するような小善を行うことは、地獄・餓鬼・畜生といった悪道に堕落する原因となる。

『大般涅槃経』

涅槃を現ずるは、喩(たと)えば月蝕のごとし。 〈解釈〉月に満ち欠けがあるが、本来月はつねに満ちており、増減はない。仏も常住であり、生滅しない。

天台智邈 説『摩訶止観』

心(しん)を観ずるに心無し。空(くう)を観ずるに空無し。 〈解釈〉心を観察しても心の実体はない。空を観察しても空の実体はない。

ナーガールジュナ『中論頌』

およそ縁起したものは空(くう)である。

荊渓湛然 述『十不二門』

色心(しきしん)は不二(ふに)なり。 〈解釈〉体と心は一つである。

寒山『寒山詩集』

十年帰るを得ず。来たりし時の道を忘れ却(さ)る。 〈解釈〉十年のあいだ山に住みついてしまったので、やって来た道を忘れてしまった。

至道無難の言葉『至道無難禅師法語』

かならず仏になると思うべからず。仏にはならぬが仏なり。 〈解釈〉決して仏になろうなどと思ってはならない。仏にならないことこそが仏なのだ。

鈴木正三 撰『驢鞍橋』

万事を打ち置きて、ただ死に習わるべし。常に死に習って死の隙(ひま)を明け、誠に死する時、驚かぬようにすべし。 〈解釈〉すべてをさしおいてただ死ぬことを習いなさい。そうして、死というものをよく知って、本当に死を迎えたとき、驚かないようにしなさい…

菩提達摩の言葉『二入四行論』

解(さと)らざる時は人が法を逐(お)い、解る時は法が人を逐う。 〈解釈〉いまだ悟らぬときは、人は真理を追い求めるが、悟ったときは、真理の方が人を追ってくる。

親鸞『教行信証』

他力と言うは如来の本願力(りき)なり。 〈解釈〉他力というのは、阿弥陀如来の本願の力のことであって、衆生を浄土に往生させる働きをいう。

圜悟克勤の言葉『圜悟語録』

生(しょう)や全機現(ぜんきげん)、死や全機現。 〈解釈〉生きるときは生きるきり、死ぬるときは死ぬきり。

僧祐 撰『弘明集』

出息(しゅっそく)報いざるも便(すなわ)ち後世(ごせ)に就く。是れ無常と為す。仏(ほとけ)言(い)わく、真の仏弟子なり。 〈解釈〉吐いた息が返ってこないうちに死んでゆく、これが無常です。仏は答えた。それでこそ真にわたしの弟子だ。

一遍の言葉『一遍上人語録』

よき武士と道者とは、死するさまを、あたりに知らせぬ事ぞ。わが終わらんをば人の知るまじきぞ。 〈解釈〉立派な武士と仏道を修行している者は、死ぬときの様子を、周囲にいる人々に知らせないことだ。きっと私の命の終わるのを人々は知るまい。

『ジャータカ』

何故(なぜ)、私(わたくし)も死にゆく身なのだ、と言って、自分のことを嘆かないのか。

鑑智僧璨 撰『信心銘』

至道無難(しどうぶなん)、唯(ただ)揀択(けんじゃく)を嫌う。但(た)だ憎愛莫(な)ければ、洞然(とうねん)として明白なり。 〈解釈〉本当の道はむずかしいことがない、ただ取捨選択をきらうだけだ。好き嫌いさえしなければ、すっぱりとすべてが明らかだ。

『維摩経』

譬(たと)えば巨海(きょかい)に下(くだ)らざれば無価(むか)の宝珠(ほうじゅ)を得(う)ること能わざるがごとく、是(かく)のごとく煩悩の大海に入(い)らざれば、則ち、一切の智宝(ちほう)を得ること能わず。 〈解釈〉大海の中に潜らなければ無価の宝石を手に入れ…

不空 訳『菩提心論』

一切有情(うじょう)の心質(しんぜつ)の中に於いて一分の浄性(じょうしょう)有り。 〈解釈〉生きとし生けるものの心の本質には一分の清らかな本性がある。

一遍『一遍上人語録』

となうれば仏もわれもなかりけり 南無阿弥陀仏なむあみだ仏 〈解釈〉一心に念仏をとなえると、仏も自分もなくなってしまった。南無阿弥陀仏なむあみだ仏。