2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『長部経典』

すべては無常である。怠ることなく実践し、それを完成しなさい。

道元『正法眼蔵』

時節若至(にゃくし)というは、すでに時節いたれり、なにの疑著(ぎちゃく)すべきところかあらんとなり。 〈解釈〉「時節がもし至れば」というのは、事実としては時節はもうとっくに至り現れていて、いささかも疑うべきところはない、ということなのである。

道元『傘松道詠』

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪(ゆき)さえて冷(すず)しかりけり 〈解釈〉春になれば花が咲き、夏にはほととぎすがさえずり、秋には月が皓々(こうこう)と映え、冬になれば雪が降って凛として身をひきしめる。

龐蘊『龐居士語録』

好雪(こうせつ)、片片(へんぺん)別処(べっしょ)に落ちず。 〈解釈〉なんとみごとな雪だ。一片(ひとひら)一片が別の処には落ちない。

良寛『はちすの露』

うらを見せ おもてを見せて 散るもみぢ 〈解釈〉人の気配なき深山辺(みやまべ)に、紅葉したもみじが、風にふかれるでもなく、裏を見せ、表をみせては、はらりはらりと散ってゆくことだ――。

天台智邈・説『法華文句』

今の見(けん)は昔のごとく、昔は秖(た)だ今のごとし。 〈解釈〉今の見方は昔のようであり、昔の見方は今のようである。

石霜慶諸の言葉『祖堂集』

遍界(へんかい)曽(かつ)て蔵(かく)さず。 〈解釈〉真理は特殊なところにあるのではなく、身近なところに遍満している。

無門慧開『無門関』

不立文字、教下(きょうげ)別伝。 〈解釈〉(禅の心髄は)文字で伝えようとしても伝わらず、理論的な教えとは別のところで伝わっていくものである。

曹山本寂『景徳伝灯録』

眉は且つ是れ目ならず。 〈解釈〉眉は眉であって、目ではない。

天台智障・摩訶止観』

了了(りょうりょう)として分明(ぶんみょう)に見る。 〈解釈〉はっきりと見る。

洞山良价『祖堂集』

若し全肯(ぜんこう)すれば、則ち先師(せんし)に辜負(こふ)す。 〈解釈〉もしも師の説を全面的に認めたとすると、それは先師に負(そむ)くことになる。

『ウダーナヴァルガ』

どのように友を作ろうとも、どのようにつき合おうとも、やがて人はそのようになる。つき合いとはそういうものである。

最澄『顕戒論』

火を避(さ)けて水に堕す。 〈解釈〉火を避けようとして、かえって水に落ちてしまう。

シャーンティデーヴァ『入菩提行論』

人は愚か者から遠ざかるべきである。もし出会ったら愛をもって彼を宥めよ。ただし、親交を結ばず、無関心な聖者の振る舞いに倣え。

『ダンマパダ』

人はすべて暴力におびえる。すべての者にとって生命(せいめい)は愛しい。わが身にひきあてて殺してはならない。殺させてはならない。

『大宝積経』

空中では種子は生えてこない。

沢庵宗彭『東海夜話』

目(め)近きことを知らずとて、人を恥(はず)かしむべきにあらず。めずらしきことを一句知りたりとて、人を高くみるべきにもあらず。 〈解釈〉身近にあるものを知らないからといって、その人に恥をかかせてはならない。また逆に珍しいことを知っているからとい…

小林一茶『おらが春』

露の世は露の世ながらさりながら 〈解釈〉この世は露のようにはかない。はかないけれど、それなりにせいぜい大切に生きるほかはないようだ。

白隠慧鶴『遠羅天釜』

何(いず)れも死後を待ちて利益(りやく)に預からんとうち延ばしたもうは、不覚油断の至り、おぼつかなきものぞかし。 〈解釈〉いかなる宗旨であっても、死んでから極楽に生まれることを願っているようでは、大いなる不覚、油断の極みである。なんとも頼りない…

雲門文偃の言葉。『雪竇頌古』

日日(にちにち)是れ好日(こうじつ)。 〈解釈〉毎日毎日がかけがえのない日々である。

『ダンマパダ』

ただ非難されるだけの人、また、ただ賞められるだけの人は過去にもいなかったし、未来にもいないだろう。現在もいない。

李卓吾『焚書』

世人(せじん)は平常を厭いて新奇を喜ぶ。言うを知らずや、天下の至って新奇なるは、平常を過ぐるなしと。 〈解釈〉世の人々は、平凡なことはすぐあきて、目新しさを喜ぶ。彼らは「世の中で最も目新しいのは、平凡なありようだ」といわれるのを知らないのであ…

『相応部経典』

愚者ははげしい言葉で語りながら「私は勝っている」と考える。しかし、真理を知る人が(誹謗を)堪(た)え忍ぶなら、その人にこそ勝利がある。

道元『正法眼蔵』

むかいて愛語(あいご)をきくは、おもてをよろこばしめ、こころをたのしくす。むかわずして愛語をきくは肝に銘じ、魂に銘ず。 〈解釈〉面と向かって賞められれば、顔はほころぶし、心も楽しくなる。間接的に賞められれば肝に銘じて嬉しく、忘れない。

『相応部経典』

どの方向に心を向けて探しても、自分より愛しいものは見出されない。そのように、他人にとっても、それぞれの自己は愛しい。だから、自分を愛しむために他人を害してはならない。

ナーガールジュナ『十住毘婆沙論』

他を利するとは即ち自らを利するなり。

夢窓疏石『夢中問答』

しるしなきこそしるしなりけれ。 〈解釈〉神仏への祈願の霊験が現れないと人々は嘆くが、霊験がないことこそ霊験があるということだ。

宗峰妙超『大灯国師養牛軽吟歌』

蓑(みの)はなし 其の儘(まま)ぬれて行程(ゆくほど)に 旅の衣(ころも)に雨を社(こそ)きれ 〈解釈〉旅の途中でしぐれに遇ったが蓑はない。そのまま歩いていると、まるで雨を着て歩いているようだ。

一行 記『大日経疏』

少欲をもて足るを知る。 〈解釈〉わずかばかりの欲求のみで、充足するを知るべきである。