2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧
毎日の勤務(つとめ)のなかのをりふしに呆然とをるをわが秘密とす
水際に向ひて獨坐し、 林中に獨り行く、 元氣を斲り、 元精を捜る、 造化萬物 情を隱し難く、 冥茫たる八極 心兵を游ばしめ、 坐に無象をして聲あらしむ。 微は懸蝨を破るが如く、 壯は長鯨を屠るが若し。 清はカウ(←「カウ」の漢字は、左側は「氵」+右側は…
山又山山桜又山桜
一日 復た 一日 一朝 復た 一朝 秖だ如かざる有るを見て 超ゆる所有るを見ず 食は前日の味を作し 事は前日の調を作す 知らず 久しく死せずして 憫憫として尚ほ誰をか要つ 富貴は自らを縶拘し 貧賤も亦た煎焦す 俯仰して未だ所を得ず 一世 已に鑣を解く 譬へ…
自然がずんずん体のなかを通過する――山、山、山
學は其の花を探るに非ず 要は自ら其の根を撥するなり 孝友と誠實と 而して爾の言を忘れず 根本既に深實ならば 柯葉自ら慈繁せん 念ず爾の此を忽にするなく 期するに以て吾が門を慶せんことを がくはそのはなをさぐるにあらず えうはみづからそのねをはっする…
ラガー等のそのかちうたのみじかけれ
江干多くは是れ釣人の居 柳陌菱塘一帶疎なり 好し是れ日斜めにして風定まるの後 半江の紅樹、鱸魚を賣る かうかんおほくはこれてうじんのきょ りうはくりょうたういったいそなり よしこれひななめにしてかぜさだまるののち はんかうのこうじゅ、ろぎょをうる…
ただひとり吾より貧しき友なりき金のことにて交絶てり(ただひとりわれよりまづしきともなりきかねのことにてまじはりたてり)
天地の窮まり無きを惟ひ、 人生の長く勤るるを哀しむ。 往者は余及ばず、 來者は吾聞かず。 てんちのきはまりなきをおもひ、 じんせいのながくつかるるをかなしむ。 わうしゃはわれおよばず、 らいしゃはわれきかず。 惟天地之無窮兮 哀人生之長勤 往者余弗…
春ひとり槍投げて槍に歩み寄る
維れ桑と梓と 必ず恭敬す 瞻るとして父に匪ざる靡く 依るとして母に匪ざる靡し 毛に屬せざらんや 裏に離かざらんや 天の我を生める 我が辰何にか在る これくはとあづさと かならずきょうけいす みるとしてちちにあらざるなく よるとしてははにあらざるなし …
詩歌などもはや救抜につながらぬからき地上をひとり行くわれは
麗かや野に死に真似の遊びして
日本脱出したし 皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係りも
白露や死んでゆく日も帯締めて
うきも契りつらきも契りよしさらばみなあはれにや思ひなさまし
短夜や乳ぜりなく児を須可捨焉乎(みじかよやちちぜりなくこをすてっちまおか)
思ふことさしてそれとはなきものを秋の夕べを心にぞ問ふ
ゆるやかに着てひとと逢ふ螢の夜
橘のにほふあたりのうたた寝は夢も昔の袖の香(か)ぞする
死なうかと囁かれしは螢の夜
今や夢昔や夢とまよはれていかに思へどうつつとぞなき
雪はげし抱かれて息のつまりしこと
山深み春とも知らぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水
羽子板の重きが嬉し突かで立つ
半身は夢半身は雪の中
黄河遠く上る 白雲の間。 一片の孤城 萬仞の山。 羌笛何ぞ須ひん 楊柳を怨むを。 春光度らず 玉門關。 くゎうがとほくのぼる はくうんのあひだ。 いっぺんのこじゃう ばんじんのやま。 きゃうてきなんぞもちひん やうりうをうらむを。 しゅんくゎうわたらず …
人はみな悲しみの器。頭を垂りて心ただよふ夜の電車に
終南 陰嶺秀で、 積雪 浮雲の端。 林表 霽色明かに、 城中 暮寒を増す。 しゅうなん いんれいひいで、 せきせつ ふうんのたん。 りんぺう せいしょくあきらかに、 じゃうちゅう ぼかんをます。 終南陰嶺秀 積雪浮雲端 林表明霽色 城中増暮寒 終南山(しゅうな…