2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧
毒薬変じて甘露となる はじめ毒薬であったものが、後に変化して甘露という天酒になった。害毒であったものが、後に転じて利益をもたらすことをいう。
歌枕見てまいれ 東北の歌枕の実景をみて、歌のみやびの修行をしてこい。
遠くて近きもの、極楽、舟の道、男女の仲 (「男女の仲」は写本によっては「人の中」)
手の上に悲しく消ゆる蛍かな
塚も動けわが泣く声は秋の風 君の死を嘆きかなしむ私の哭泣(こくきゅう)が地下の君の霊にまで届いて塚も動けよ。わが慟哭の声が秋風に和し、秋風はわが嘆きを運び、塚の周囲を吹きめぐる。
書き置きはめつかりやすい所(とこ)へ置き
いちはつの花咲きいでて我目(わがめ)には今年ばかりの春ゆかんとす
石川や浜の真砂(まさご)は尽きるとも世に盗人(ぬすびと)の種はつきまじ 川や海辺に無数にある細かな砂が無くなったとしても、世の中に泥棒がいなくなることはないだろう
いざさらば蓮(はちす)の上にうち乗らむよしや蛙(かわず)と人は言ふとも それじゃ、みなさんさようなら。これから極楽へ行けるように蓮の花の上に乗るよ。たとえそりゃあ蛙だよといわれようとも。
浮世の月見過ごしにけり末(すえ)二年 人生五十年というが、五二年の生涯をすごした私は、二年分余計にこの浮世の月をみたことになるよ。
おいらん そりゃァちとそでなかろうぜ 花魁、それはちょっと道理に合いますまいよ。
絶景かな 絶景かな 春の眺めは価(あたい)千金とは小さなたとえ 桜花爛漫の春の景色の素晴らしさ、千金に価するなどとはみみっちいたとえだ
むごい殺しも金ゆえだ 恨みがあるなら金にいえ
話は「する」ものよ。「ある」ものぢやないわ
牛飼(うしかい)が歌よむ時に世のなかの新しき歌大いにおこる
われ男(お)の子意気の子名の子つるぎの子詩の子恋の子あゝもだえの子
知らざあ言つて聞かせやせう (俺の名を)知らないならいって聞かせてやりましょう。
濡れる心の傘(からかさ)にねぐらかそうよ濡れ燕 しっとり濡れた心の傘(からかさ)を濡れ燕のねぐらにかしてやろうよ。
かたはらより言ふことは、いとよくあたるものなり 第三者が指摘することは、たいそうよくあたるものである
公事と申すものは申しようによつて、理をもつて非に落つるものでござる 訴訟というものは、弁論の仕方いかんによって、道理の上では正しいことであっても、誤りとされて負けとなることが多いものだ。
拈華微笑(ねんげみしょう) 釈迦があるとき金波羅華(きんばらけ)という天上の花を拈(つま)んで説法の座で示された。一同何ごとかと呆然としていると、迦葉(かしょう)尊者ただひとり微笑をもって応えた、という。即ち、言葉でも、文字でも表わし得ない教えのあ…
三思一言(さんしいちげん) くりかえしよく考えてから、言葉に出せ。
口の虎は身を破る。舌の剣(つるぎ)は命を断つ。口をして鼻のごとくにすれば、後(のち)誤つことなし 相手を攻撃したり、傷つけるような物言いは、逆にわが身を破滅させることになる。口を鼻のようにして物を嗅ぎ分けて用心して使えば、間違いを起こすことはな…
おぼしきこと言はぬは、げにぞ腹ふくるる心地しける 思っていることを言わないでいると、なるほど、腹が張ったような嫌な気分がするものです。
首が飛んでも動いて見せるワ たとえこの首が飛んでしまっても俺は生き続けて見せるぞ。
一念通さで置くべきか 今の恨みのこの一念を晴らさないで置こうか、必ず報いてやるぞ。
或る日わが庭のくるみに囀りし小雀(こがら)来らず冴え返りつつ
さびしさの極みに堪へて天地(あめつち)に寄する命をつくづくと思ふ
うき我をさびしがらせよかんこどり 鬱々と気が晴れないでいる私を、なおさびしい思いにさせておくれ。閑古鳥よ。お前のその淋しい鳴き声で。(閑古鳥は夏の季。カッコウの別名で、呼子鳥ともいう)
まめだちたる人にはもの言ひにくし。うちとけたるけしきにつきてなむ、人はものは言ひよき 真面目そうな人には話がしにくい。うち解けた様子をしていると、それに応じて、人はものが言いやすいものだ。