2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧
由来、人間というものは、自分の姿が見えないので、得てして他人の心の中に理想の姿を持ちやすい。
善行は悪行と同じように人の憎悪を招くものであるということを注意しなければならぬ。
人間は自分じしんの歴史をつくる。だが、思う儘にではない。自分でえらんだ環境のもとでではなくて、すぐ目の前にある、あたえられ、持越されてきた環境のもとでつくるのである。
尽(ことごと)く書を信ずれば、則ち書なきに如かず。
人間は他人の嘘にはたやすく気づくものであって、ただその嘘が自分におもねるときか、あるいはちょうど都合のよいときだけ、それを信じるのである。
学問上の「達成」はつねに新しい「問題提出」を意味する。それは他の仕事によって「打ち破られ」、時代遅れとなることをみずから欲するのである。学問に生きるものはこのことに甘んじなければならない。 ※太字は出典では傍点
他人から意見を求められることは、きわめて少ないが、信じられることは、もっと少ない。
理性、判断力はゆっくりと歩いてくるが、偏見は群れをなして走ってくる。
ほめれば間違いだし、そしればなおわるい、君がそのことをよく理解していないときには。
高く登ろうと思うなら、自分の脚を使うことだ! 高いところへは、他人によって運ばれてはならない。ひとの背中や頭に乗ってはならない! ※太字は出典では傍点
ときには、敵の方が正しいこともある。というのは、人間のこころは生れつきはなはだ利己的であって、どんな論難攻撃をもすべて自分にたいする侮辱だと感じるからである。
人生は短い。わずかな時しか生きられないからというよりも、そのわずかな時のあいだにも、わたしたちは人生を楽しむ時をほとんどもたないからだ。
苦しみは人間を強くするか、それともうち砕くかである。その人が自分のうちに持っている素質に応じて、どちらかになる。 ※太字は出典では傍点
事の是非はただ醒めたる人のみが能くこれを知り、味の美悪もまたただ醒めたる人のみが能くこれを知るのである。
もし神が人間の祈りをそのまま聴き届けていたならば、人間はすべて、とっくの昔に亡びていたであろう、というのは、人間はたえず、たがいに、多くのむごいことを神に祈ってきているから。
結婚したらいろいろ分かって来ますよ、 今までは半分謎だったことが。 今に経験から分かります、 イヴが、後でカインを生んだのは、 どんなことをさせられたからなのか。
人間は誰でも自分のする事についてはなはだ自負心を持っているものだから、みずから欺かれやすい。
一般に思いつきというものは、人が精出して仕事をしているときにかぎってあらわれる。
心をはげまして高尚にふるまい、世間から離れて俗習に背をむけ、高踏な議論をして世を怨んだり誹ったりするのは、昂ぶったことをしているだけである。
名誉の悪用やこの世の虚妄について最も多く呼号する者は、最も多く名誉に飢えているのである。
実に人間は、理性によって自己自身を破壊する能力を有している。
世間では驚嘆されながら、妻や召使から見れば、何一つすぐれたところのなかった人もいる。家中の者から称讃された人というのはほとんどいない。
難解さは、学者が手品師のように自分の技倆のむなしいことを見せまいとして用いる貨幣であり、愚かな人間どもはこれで簡単に支払いを受けたつもりになる。
戦争には拙速――まずくともすばやくやる――というのはあるが、巧久――うまくて長びく――という例はまだ無い。
老年はわれわれの顔よりも心に多くの皺を刻む。
自分は今幸福かと自分の胸に問うて見れば、とたんに幸福ではなくなってしまう。
善い人間の在り方如何について論ずるのはもういい加減で切上げて善い人間になったらどうだ。
より困難なものを、より美しきものと見ること、これが人類の通弊である。
恋と同じで、憎悪も人を信じやすくさせる。
悪人がいくら害悪を及ぼすからといっても、善人の及ぼす害悪にまさる害悪はない。