2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧
真実の告白は最良の弁護。
誰もだましはしない。だますのはいつも自分だ。そして大抵は自分の過去がだますんだよ。
自分を責めるというのも、実は、自分のいいわけを、さがすことらしいわ。
恋にも人生と同じように思春期があり、そのあいだは自分だけで満ちたりていられるのです。
彼女もぼくと同様、偶然の出会いがぼくたちの人生においてはおよそ偶然とは程遠いものであること、ちゃんと約束をしてデートするような人間は手紙一本書くにも罫の引いてある紙でなくちゃいけないし、練り歯磨きのチューブはいつも下の方からきちんと搾り出…
我々は誤解されたといって立腹するけれど、しかし理解したような顔をしている人間の薄情さの方にむしろ立腹すべきである。
最も親しき友人というものは、常に兄弟のように退屈である。
孤独なんて 脂下(やにさが)ってる奴は、 たいてい何か下心があって、 女共にちやほやされたい奴だ。 *「俺だって、似たような奴だった」と自ら認めてもいる。
さて、親愛なる諸君も、お楽しみになるがよいし、愉快に、この先の話を読まれ、体を寛がせ、腰の保養をされるがよろしい! いや、まだ言うことがあったな、そこな驢馬のふぐり野郎ども、――いっそ疳疽(よこね)に罹って跛足(びっこ)になるがよい!――私の盃のお…
この書(ふみ)を繙(ひもと)き給う友なる読者よ、 悉皆の偏見をば棄て去り給えかし。 また読み行きて憤怒すること勿れ、 この書は禍事(まがごと)も病毒をも蔵(おさ)めざれば。 げにまことなるかな、笑うを措きては、 全きものをここに学ぶこと僅かならむ。 我…
己(わ)が造った型に囚われ易いのが人の弱点である。
銘々は自分に対して、不必要な割増しか割引きかをしたがるものである。
川端康成氏を、すこし離れたところから見ていると、何か植物のような感じを受けるときがある。
人生でだいじなのはどんなことにも先天的な判断をすることだ。まったくの話、ひとりひとりだといつもまっとうだが大勢になると見当ちがいをやる感じだ。でも、そこから身の処し方の規則なんかひきだすのは用心して避けなければならぬ。遵守するための規則な…
己を忘れて、己を忘れざれ。
彼は「自分」というものにすら長いこと欺かれて居たと考えるように成った。
到底人間として、生存する為には、人間から嫌われると云う運命に到着するに違ない。
人間のいさかいの大部分は、同時に学識ある者と無知なる者が存在し、しかもそのどちらもが、事実や思想の一側面だけしか決して見ないようにできていることに由来するものです。それでいてめいめいが、自分の見た面こそ唯一の真実な、唯一の正しい面だと主張…
わたしはアイスクリームのように冷めたく、そして恥ずかしいのだ。
和歌ニ師匠無シ。只旧歌ヲ以テ師ト為ス。
自分達は次に来る者達の「踏台(ふみだい)」になって、さらし首にならなければならないかも知れない。蟻の大軍が移住をする時、前方に渡らなければならない河があると、先頭の方の蟻がドシドシ川に入って、重なり合って溺死し、後から来る者をその自分達の屍…
天才とは僅かに我々と一歩を隔てたもののことである。ただこの一歩を理解するためには百里の半ばを九十九里とする超数学を知らなければならぬ。
「それはそうだけどね……しかし、きみの可愛がりかたは、犬の可愛がりかたで、猫のじゃなかったんだよ。猫の場合はたたいたりしちゃ絶対だめだ。撫でてやらなきゃいけないんだよ。それに猫の爪の届く範囲で、急激な動作をしてもいけない――つまり、こっちがこ…
どうかすると、非常に器用な素人ではあっても、無器用な専門家には成れないことが有ります。
眠気を催うす様な人間はどこか尊(たっ)とい所がある。 *「眠気を催うす様な人間」とは、一緒にいる者の眠気を誘うほどおっとりとしていて迫らない人間のこと。
豊臣関白の御時、驕る者久しからずといふ落書(らくしょ)ありしに、関白の御返書に、驕らぬ者も久しからずとおほせられし。
ゾーンというところはこういうところだ――ブツを持って帰ってきたら、奇蹟。生きて戻れたら、成功。パトロールの弾を食らわなかったら、幸運。それ以外は全部、運命だ……
われわれが持っている知識のうちで、確実だと思えるものはすべて否定の領域に属するものばかりであった。
生娘の一番いけない所は、鼠にもキャッと悲鳴をあげるくせに狼には笑いかけたりする事なんですよ。
若い時分に女遊びをした人間ほど、老人になるときまって骨董好きになる。