2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

フランクリン『フランクリン自伝』(松本慎一・西川正身 訳)

もしもお前の好きなようにしてよいと言われたならば、私はいままでの生涯を初めからそのまま繰返すことに少しも異存はない。ただし、著述家が初版の間違いを再版で訂正するあの便宜だけは与えてほしいが。

ウィリアム・ジェームズ『心理学』(今田寛 訳)

うじ虫には明瞭な自我の観念も宇宙の観念もないけれども、踏みつけられたうじ虫でさえも、苦しんでいる自分を彼以外の全宇宙と対立させる。虫は私にとっては単に世界の一部分に過ぎないが、虫にとっては私が世界の一部分に過ぎない。われわれはすべて全宇宙…

ブーアスティン『幻影(イメジ)の時代 マスコミが製造する事実』(後藤和彦・星野郁美 訳)

世の中に事件がなにも起きていない、ニュース取材者たちは眠っている、あるいは競争相手のニュース取材者たちのほうがもっと機敏である、といった印象を人々に与えないためには、どうしたらよいか? 印刷や放送の経費が増大するにつれて、輪転機をいつも動か…

ホーキング『ホーキング 宇宙を語る』(林一 訳)

宇宙にはじまりがあるかぎり、宇宙には創造主がいると想定することができる。だがもし、宇宙が本当にまったく自己完結的であり、境界や縁をもたないとすれば、はじまりも終わりもないことになる。宇宙はただ単に存在するのである。だとすると、創造主の出番…

ジンメル「愛の断想」

男性は、愛によって、女性全体から一人の女性へという道を見出し、女性は、一人の男性を通って、男性的原理一般へ通じる道を見出す。前者には濃縮が、後者には拡大がある。

キルケゴール『反復』

どんな恋愛関係にあっても、関係はできたが実現の見込みはないという場合には、思いやりが最大の侮辱である。

モンテーニュ『エセー』

本当に、その道の大先生方が、欲情を抑えるには、求める相手の身体をくまなく見よと教え、恋愛を冷ますには、愛するものをじろじろ見さえすればよいと教えていることも、一考に値する。

ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』

またあなたの愛情の発作をも警戒するがいい! 孤独な人間は、たまたま出会った者に、すぐ握手を求めるようになる。

ニーチェ『善悪の彼岸』

愛または憎みと共演しないとき、女は凡庸な役者だ。

モンテーニュ『エセー』

もしも人から、なぜ彼を愛したのかと問いつめられたら、「それは彼であったから、それは私であったから」と答える以外には、何とも言いようがないように思う。

洪自誠『菜根譚』

多情の女は男狂いの果てに尼になり、のぼせやすい男は思いつめて仏道にはいる。かくして神聖なるべき寺院が、いつもみだらな女やよこしまな男どもの集まる巣窟となる。

ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』

愛のなかには、つねにいくぶんかの狂気がある。しかし狂気のなかにはつねにまた、いくぶんかの理性がある。

ヘリゲル『日本の弓術』

「あなたは無心になろうと努めている。つまりあなたは故意に無心なのである。それではこれ以上進むはずはない」――こう言って先生は私を戒めた。