2008-12-25から1日間の記事一覧

森鷗外『阿育王事蹟』

阿育王は沸滅後二百數十年の頃、北印度に王たりし人なり。今その事蹟を記述せむとするに當たりて、先づその領せし國の如何なる國にして、その治めし民の如何なる民なりしかを略説せむとす。

夏目漱石「倫敦消息〔『ホトトギス』所収〕

然るに茲(ここ)に或る出来事が起つていくら居りたくつても退去せねばならぬ事となつたといふと何か小説的だが其訳を聞くと頗る平凡さ。世の中の出来事の大半は皆平凡な物だから仕方がない。