2010-12-22から1日間の記事一覧

保田與重郎「更級日記」

この絶望という言葉の中にふくまれている意欲、これはけだし語る人の意識の告白である。イロニーである。いわば意欲ののっぴきならぬ表情である。

保田與重郎「更級日記」

日本の王朝のことを、近代の泰西の学の言葉で表現してわかりましたといった顔する人は、何故西洋人が何百年思い用いて今では彼らの呼吸の中にあるような言葉を使う代りに、日本人の呼吸の中にある言葉で、日本のことを語らぬのであろうか。

保田與重郎「日本の橋」

橋は人間の交通を語って人生過現未の往来をさえ教えた。