2011-03-28から1日間の記事一覧

森まゆみ『鷗外の坂』

孤独の快楽を、鷗外は誰にも邪魔させなかった。彼は六十年の生涯のうち、五十数年は本を読みつづけた人である。

森まゆみ『鷗外の坂』

墓は死んだ人間と生きている人間を結ぶよすがである。何ら書き残さず書き残されなかった人間についてたどる唯一の手がかりである。ここに鷗外の抑えられた怒りと、深い詠嘆がある。

森まゆみ『鷗外の坂』

こういうとき「ただ微笑する」のが鷗外流だった。