2011-04-24から1日間の記事一覧

向田邦子「中野のライオン」

記憶や思い出というのは、一人称である。 単眼である。 この出来ごとだけは生涯忘れまいと、随分気張って、しっかり目配りをしたつもりでいても、衝撃が大きければ大きいほど、それひとつだけを強く見つめてしまうのであろう。

向田邦子「男性鑑賞法――1 宮崎定夫(ヘア・ドレッサー)」

女は気まぐれである。 そして、女の髪の毛はもっと気まぐれである。

向田邦子「一冊の本」

初めて手にした本は、初恋の人に似ています。初めて身をまかせた男性ともいえるでしょう。

向田邦子「潰れた鶴」

歳月は女の子を待ってくれない。