2011-10-30から1日間の記事一覧

安岡章太郎「質屋の女房」

あらゆることが、中途半ぱで消えてなくなったり、かと思うと、いきなり途中から始ったりしているようだった。

安岡章太郎「質屋の女房」

おふくろは僕に何もさせたがらず、また僕がいつまでたっても何も出来ないということが彼女を満足させていたのだ。

安岡章太郎「相も変らず」

向うの方からやってくるのを待たないで、自分の方から何かをしようとしたのは、生れてこれが初めての気がする。

安岡章太郎「悪い仲間」

ところがいまや、そんな避けたがっていたものこそ愛さなくてはならないものだ、という風に思われるのだ。

安岡章太郎「ガラスの靴」

いまはもう何を待とうにも、待つものがない。