2011-12-30から1日間の記事一覧

トーマス・マン「道化者」(実吉捷郎 訳)

およそ不幸というものは、たった一つしかない――自分に対する好感を失うことである。自分が自分に気に入らなくなる、それが不幸というものなのである。

トーマス・マン「道化者」(実吉捷郎 訳)

それが今は。それが今は。――

トーマス・マン「道化者」(実吉捷郎 訳)

「だからお願いだ。今にお前は、自分だけに頼るよりほかはなくなるんだということを、覚えていてくれよ。」

トーマス・マン「道化者」(実吉捷郎 訳)

必然性というものは実に慰めになるものだから。またもしかすると、ちょっとのあいだ、自分自身に対する一種の優越感と無関心、といったようなものを享楽するためでもあろうか。なぜといって無関心――それは一種の幸福だということをおれは知っている。