2012-05-14から1日間の記事一覧

近松門左衛門『曾根崎心中』

此の世のなごり、夜もなごり。死(しに)に行く身をたとふれば、あだしが原の道の霜、一足づゝに消えて行く、夢の夢こそ あはれなれ。あれ数ふれば暁の、七つの時が六つ鳴りて、残る一つが今生の、鐘のひゞきの聞きをさめ、寂滅為楽と ひゞくなり。