2013-01-18から1日間の記事一覧

魯迅『忽然想到・十一(一)「急不択言』(『華蓋集』所収)

たとえば人は、自分で自分の頰を殴っても平気だが、人に殴られると非常に怒る。だが自分で自分の頰を殴るほど意気地がなければ、人に殴られるのはどうしても免れ難い。

魯迅『忽然想到・五』(『華蓋集』所収)

世の中にもしまだほんとうに生きて行こうとする人々がいるなら、まず敢えて言い、敢えて笑い、敢えて泣き、敢えて怒り、敢えて罵り、敢えて打って、この呪うべき場所から呪うべき時代を撃退すべきだ!

ガルシア=マルケス「大きな翼のある、ひどく年取った男」(鼓直 訳)

タマネギを刻み終えるまで、エリセンダは天使を見つづけた。見ることがもはや不可能になるまで、見つづけた。なぜなら、そのときの天使はもはや彼女の日常生活の障害ではなくなり、水平線の彼方の想像の一点でしかなかったからである。

ガルシア=マルケス『族長の秋』(鼓直 訳)

つまり彼は、自分のものではない他人の運命を生きるという、ぱっとしない境遇に喜んで甘んじたのだった。