2013-03-31から1日間の記事一覧
人生の各方面に亘って新旧両派の争(あらそい)を批判しようとする人は、臆病な折衷主義に逃げず、無精な懐疑説に安んぜずに、まず深い同情を以て双方の長所を熟(つらつ)ら味うのが宜(よろし)い。
無意義だ、不可解だと叫ぶ間には、尚人生の意義に対する恋々の情が綿々絶えないでおるのではないか。
人生を幸福にするためには、日常の瑣事を愛さなければならぬ。
列車が駅にはいった、機関車を見たとたん、僕はもう自分の冒険に自信がなくなった。僕はやせこけた体にあるだけの勇気をふるってモリーに接吻した。こんどばかりは、苦痛を、真の苦痛を覚えた、みんなに対して、自分に対して、彼女に対して、すべての人間に…