方丈の大庇(びさし)より春の蝶
秋さびしもののともしさひと本の野稗の垂穂瓶にさしたり
金の調べに死にたえる光 くれなゐの空の想ひを残し 天の座に静けさを染める星 地のはての大きな谷をわたり
此話はすべて遠野の人佐々木鏡石君より聞きたり。昨明治四十二年の二月頃より始めて夜分折々訪ね来り此話をせられしを筆記せしなり。鏡石君は話上手には非ざれども誠実なる人なり。自分も亦一字一句をも加減せず感じたるまゝを書きたり。
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