ニーチェ『漂泊者とその影』

 小さな自制が足りないと、大きな自制の能力も崩れてしまう。一日に少なくとも一度小さなことにおいて何かを断念しなかったとすれば、そんな日はどれも過ごし方がまずかったのであり、翌日にとっての危険となる。私たちが自分自身の主人である喜びを持ち続けたいならば、こうした体操が不可欠であろう。

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