ジョージ・オーウェル「ナショナリズムについて」(小野寺健 訳)

ナショナリストの考え方の中には、真実なのに嘘、知っているのに知らないことになっているという事実が、いろいろある。知っている事実でも、認めるのに耐えられないというので脇へ押しのけられたまま、意識的に論理的思考から外されてしまうことがあるかと思えば、綿密に検討されたにもかかわらず、自分一人の心の中でさえ、事実であることをぜったいに認めないといったことが起こるのだ。