鈴木牧之『北越雪譜』

暖国の雪一尺以下ならば山川村里(さんせんそんり)立地(たちどころ)に銀世界をなし、雪の飄々翩々(へう/\へん/\)たるを観て花に論(たと)へ玉に比べ、勝望美景を愛し、酒食音律の楽(たのしみ)を添へ、画(ゑ)に写し詞(ことば)につらねて称翫(しょうくゎん)するは和漢古今の通例なれども、是(これ)雪の浅き国の楽(たのし)み也。