牛頭法融 撰『絶観論』

問うて曰く、「此の説のごときは、即ち一切の衆生本来解脱なるや」。答えて曰く、「尚(な)お繋縛(けばく)する無し、何ぞ解脱の人有らんや」。
〈解釈〉問うて言う、「そういうことになると、つまりすべての人々は、もともと解き放たれているのですか」。答えて言う、「もともと縛ることすらないのに、どうして解き放たれた人があろうか」。