懐奘『正法眼蔵随聞記』

世間の人にまじわらず、己(おのれ)が家ばかりにて生長(しょうちょう)したる人は、心のままにふるまい、おのれが心を先として人目を知らず、人の心をかねざる人、必ずあしきなり。
〈解釈〉世間の人と交際せず、自分の家だけで成長した人は、思いのままに振舞って、自分の気持ちを第一として、人がどう思うかを考えず、他人の気持ちを推察しようとしない。このような人は必ずよくない。