森鷗外「脚本『プルムウラ』の由來」

何分この頃は脚本なぞを書く暇がない。役所が引けて晩に歸れば草臥て、ヘト/\になつて居る。そこで此間中三四日歸ると直ぐに一寐入りして、午前一時から三時頃まで起きて急いで書いて見た。何もさういふ無理をして書いたといふのを拙く出來た言譯に發表するのではないが、後の思ひ出に序だから言つて置く。