祖詠「終南に餘雪を望む(しゅうなんによせつをのぞむ;終南望餘雪)」(全) (齋藤晌)

終南 陰嶺秀で、
積雪 浮雲の端。
林表 霽色明かに、
城中 暮寒を増す。


しゅうなん いんれいひいで、
せきせつ ふうんのたん。
りんぺう せいしょくあきらかに、
じゃうちゅう ぼかんをます。


終南陰嶺秀
積雪浮雲
林表明霽色
城中増暮寒


 終南山(しゅうなんざん)の北の嶺(みね)は高く秀でて、積もった雪が浮き雲のはずれに冴えて見える。林の上にはうす青く晴れた空があかるくはえて、長安の市街では夕方の寒さがひとしお身にしみてきた。