「まんげつのよるに」(木村裕一◎作/あべ弘士◎絵)
・ この もりの サルや リスや のうさぎたち。
おこって わらって ないて、ひっしに いきて、
そして、 だれもが かならず しんで いく。
いきものって みんな いっしょうけんめいで、みんな はかなく、
それが いじらしくて、おもわず ほほえんで しまう。
・ のぼって きた まんげつに、
二ひきの かげが かさなった。
つきの なかに うつった その かげは、
もう、ヤギでも オオカミでも なく、
ただ ふたつの いきものの すがただった。