2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧
・錯(あやま)てり 錯てり 錯てり 錯錯錯 思いかえせば何もかも、誤っていた、誤っていた。 ・莫(なか)れ 莫れ 莫れ 莫莫莫 されば昔の思い出に、沈むな、沈むな。
――たとえ、あなたが音楽を忘れても、音楽はあなたを忘れはしないのよ。
「かた雪かんこ、しみ雪しんこ」
我が心石に匪ず 轉ずべからざるなり 我が心席に匪ず 卷くべからざるなり 威儀棣棣として 選ふべからざるなり わがこころいしにあらず てんずべからざるなり わがこころむしろにあらず まくべからざるなり いぎていていとして かぞふべからざるなり 我心匪石 …
――あなたはベートーベン? あなたはショパン? ちがう、ちがう。あなたは、ほかのだれでもない。あなたは、あなたの曲をひけばいい。
キック、キック、トントン。キック、キック、トントン。キック、キック、キック、キック、トントントン。
人生 到る處 知んぬ何にか似たる 應に 飛鴻の雪泥を踏むに 似たるべし 泥上 偶然 指爪を留む 鴻 飛んで 那ぞ復た 東西を計らん じんせい いたるところ しんぬなんにかにたる まさに ひこうのせつでいをふむに にたるべし でいじゃう ぐうぜん しさうをとどむ…
魔法にかけられたふしぎな場所というのは、ほんとうは、どこにでもあるものなのです。山にも、森にも、海岸にも……いいえ、大通りの交差点のまん中や、デパートの食料品売り場にさえ、用心深く隠されているのです。 ふつうの人たちは、そこがふしぎな場所だと…
「昔私は生きるために、一片のパンを盗みました。そして今日私は、生きるために一つの名前を盗みたくはありません。」
衆芳搖落して 獨り暄妍 風情を占め盡して 小園に向ふ 疎影横斜 水清淺 暗香浮動 月黄昏 霜禽下りんと欲して 先づ眼を偸み 粉蝶如し知らば 合に魂を斷つべし 幸に 微吟の相狎る可き有り 須ひず 檀板と金尊と しゅうはうえうらくして ひとりけんけん ふうじゃ…
「おれは、わらぐつをこさえたことはないけども、おれだってしょく人だから、しごとのよしあしはわかるつもりだ。いいしごとってのは、見かけできまるもんじゃない。つかう人の身になって、つかいやすく、じょうぶで長もちするようにつくるのが、ほんとのい…
さようなら、米山みきよ、栗谷清子よ。さようなら、優しき生者たちよ。私はしょせん、あなたがたとは無縁な存在であった。
地下應に酒壚の處なかるべし、 何を苦しんで、寂寞、平生に孤むくや。 一杯一曲、 我れ歌はん君續け。 明月自ら來つて、 燭を秉るを須ゐず。 五岳既でに遠く、 三山亦た空し。 神仙を求めんと欲すれば、 杯酒の中に在り。 ちかまさにしゅろのところなかるべ…
加代は、ふしぎでたまらない。 あんなに、つもってはきえ、つもってはきえしているのに、どうして、いつのまに、ふんでもとけないあつい雪の道ができあがるんだろう。 土にとりついて、とけないで、上からおちてくるなかまをささえた、そのさいしょのひとつ…
『何もかも言うがよい。何もかも正直に言って、そして思うさま傷つくがいい。お前もそろそろ身を守る術(すべ)を知るべき年齢だ。何もかも言うことによって、最後にお前は、《真実が誰によっても信じてもらえない》という、人生にとってもっとも大切な教訓を…
良朋幽邈たり、首を搔いて延佇す。 りゃうほういうばくたり、かうべをかいてえんちょす。 良朋幽邈 搔首延佇 共に酒を汲みたい良友は遥かに遠くて消息もわからない。私はやるせなく頭髪を搔きながらたたずむのである。