2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧
日暮れて東塘正に落潮 孤篷泊する處、雨瀟瀟 疎鐘夜火、寒山寺 呉楓の第幾橋をかを過ぎしを記す ひくれてとうたうまさにらくてう こほうはくするところ、あめせうせう そしょうやくゎ、かんざんじ ごふうのだいいくけうをかをすぎしをきす 日暮東塘正落潮 孤…
「とかいも、わるくないな」 と、おじいさんは、このごろ、いうようになりました。 「子どものいるところって、いいな」 ですって。
そして二人は自分たちの一生のあらましをふりかえってみた。 二人とも失敗だった。恋愛を夢みた男も、政権を夢みた男も。どういうわけだろう? 「たぶん、生(き)一本にやらなかったからだ」フレデリックはいった。 「きみの場合はそうかもしれん。しかしぼく…
太息し重ねて太息す 吾が生 誰と與にか歸せん 那んぞ知らん 暮景の迫れるを 但覺ゆ 故人の稀なるを 禍ひを避けて歸るも猶困しみ 讒を憂へて默するも亦非なり たいそくしかさねてたいそくす わがせい たれとともにかきせん いかんぞしらん ぼけいのせまれるを…
人をうらんでいるひまはない。うでをみがくことが先だ。
「どうも君は、自分の不幸について、少し過敏すぎるのじゃないかな。そのことで、神様に感謝する、というような気が、起ったことはないかね?」 (中略) 「なんというか、反抗的に、それを考えている限りはね、それは、ただ屈辱を感じるばかりだ。だがな、…
水を渡り、復た水を渡り、 花を看、還た花を看る。 春風江上の路、 覺えず君が家に到る。 みづをわたり、またみづをわたり、 はなをみ、またはなをみる。 しゅんぷうかうじゃうのみち、 おぼえずきみがいへにいたる。 渡水復渡水 看花還看花 春風江上路 不覺…
「きょう力があるものが、あしたも強いとはかぎらんのじゃ。ほんとうに強いのは、毎日のくらしをまもって生きてる町人や百姓じゃ。そやから、あきらめたらあかん。またこの町内へもどるという気持ちをもちつづけてたら、いつかその機会がある」
なんといやらしい世の中だろう。彼はこの同じ晩に、繁栄を誇る自分の祖国においてさえ、どれだけの人々が窮乏に苦しんでいるだろう、どれだけの人々が掘っ立て小屋に住んでいるだろう、どれだけの夫が酔っぱらい、どれだけの妻がぶん殴られ、どれだけの子供…
北山 緑を輸って 横陂に漲る 直も 囘塘を塹って 灎灎の時 細かに落花を數ふるは 坐すること久しきに因る 緩かに芳草を尋ぬれば 歸ること遲きを得たり ほくざん みどりをおくって わうひにみなぎる あたかも くゎいたうをほって えんえんのとき こまやかにら…
せまい。 建っていた家がなくなり、こうしてあき地になってしまうと、胸が痛くなるほどせまい。五、六歩あるくだけで、となりの家にぶつかってしまう。ほんとうにこんなところで、毎日、ねておき、食べ、走りまわり、どなられ、うらみ、ないていたのだろうか…
「この世に政治でないものなどは存在しません。すべてが政治です」
寄謝す 幽棲の友 辛勤するは身の爲ならず きしゃす いうせいのとも しんきんするはみのためならず 寄謝幽棲友 辛勤不爲身 ひっそりと清らに住む友よ きみだからいうのだけれど つらい勤めにはげむのも身のためばかりじゃないのだよ
「そのとおりや。車大工(くるまだいく)は木をけずりながら自分の命をけずってるんや」
これで私の不幸は完全なものとなりました。私はありとあらゆる不幸を味わいに生まれて来たような気がいたします。
人生 字を識(し)りて 憂患始まる 人生 識字 憂患始 人間、文字を覚えたらさいご、その日から人生のわずらわしさが始まる。
「自分で自分を弱虫だなんておもうな。人間、やさしささえあれば、やらなきゃならねえことは、きっとやるもんだ。それを見て、他人がびっくらするわけよ。は、は、は」
そのまま、ふたりは一つになり、いまはもう見えないが、時計の針の進むにつれて、ふたりは知ったのだ。もう何ごとも自分に起らないことは相手にもけっして起るはずはない。これ以上のことはありえない。これが、すべてなんだ。いつまでもこうしているんだ。…
形骸 順動に委ね、 方寸 空虚に付す。 これを持してもって日を過せば 自然にして晏如多し。 昏昏また默默、 智にあらずまた愚にあらず。 けいがい じゅんどうにゆだね、 はうすん くうきょにふす。 これをぢしてもってひをすごせば しぜんにしてあんじょおお…
「この子は、一生、みんなちょうだい。山ほどちょうだいといって、りょう手をだすことを、しらずにすごすかもしれないね。一つだけのいも、一つだけのにぎりめし、一つだけのかぼちゃのにつけ……。みんな、一つだけ。一つだけのよろこびさ。いや、よろこびな…
人間がもっともおそれているのは何だろう? 彼らがもっともおそれているのは、新しい一歩、新しい自分の言葉だ。だからおれはしゃべるだけで、何もしないのだ。いや、もしかしたら、何もしないから、しゃべってばかりいるのかもしれぬ。
相顧るに百齡皆待つ有り。 居然として萬化咸く應に改まるべし。 あひかへりみるにひゃくれいみなまつあり。 きょぜんとしてばんくゎことごとくまさにあらたまるべし。 相顧百齡皆有待 居然萬化咸應改 よく考えてみると、人生百歳といっても百歳になるものは…
金のしずく ふれふれ まわりに 銀のしずく ふれふれ まわりに
「ある人は本を読んでも、ただ自分の気に入った言葉の花ばかり抜き出して、喜んでおる。そういう人間は、必ず空な心配にあくせくして、しっかりした判断というものがない」
天若し情有らば 天も亦老いん。 てんもしじゃうあらば てんもまたおいん。 天若有情天亦老 天にもし情というものがあったら、天もまた老いさらぼえることだろう。
局長さんは、はじめて、おとなって、さびしいものかもしれないぞ、と思いました。すこし、かなしくなりました。
クリストフは倒れかかりながらも、ついに向こう岸に着く。そして彼は小児に言う。 「さあ着いたぞ! お前は実に重かった。子供よ、いったいお前は何者だ?」 すると小児は言う。 「私は生まれかかってる一日です。」 ※太字は出典では傍点
呉頭楚尾、路如何 煙雨秋は深くして白波暗し 晩に寒潮を趁うて江を渡って去けば 滿林の黄葉、雁聲多し ごとうそび、みちいかん えんうあきはふかくしてはくはくらし ばんにかんてうをおうてかうをわたってゆけば まんりんのくゎうえふ、がんせいおおし 呉頭…
「ほんとうににんげんは、いいものかしら。ほんとうににんげんは、いいものかしら」
「クラムボンはわらったよ」 「クラムボンはかぷかぷわらったよ」 「クラムボンははねてわらったよ」 「クラムボンはかぷかぷわらったよ」