2008-08-03から1日間の記事一覧

前登志夫

おお! かなかな 非在の歌よ、草むらに沈める斧も昨夜(きぞ)の反響

無名氏「企喩歌(きゆか)」(『古詩源』より)(抄) (星川清孝)

男兒憐む可きの蟲、 門を出づれば死の憂を懷く。 尸は狹谷の中に喪ひて、 白骨人の收むる無し。 だんじあはれむべきのちゅう、 もんをいづればしのうれへをいだく。 しかばねはけふこくのうちにうしなひて、 はくこつひとのをさむるなし。 男兒可憐蟲 出門懷…