2008-10-24から1日間の記事一覧

篠原鳳作

しんしんと肺碧(あお)きまで海のたび

井村和清『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ』

肺への転移を知ったとき、覚悟はしていたものの、私の背中は一瞬凍りました。その転移巣はひとつやふたつではないのです。レントゲン室を出るとき、私は決心していました。歩けるところまで歩いていこう。 その日の夕暮れ、アパートの駐車場に車を置きながら…