2008-12-03から1日間の記事一覧

モーリス・ブランショ『文学空間』(粟津則雄、出口裕弘 訳)

書くとは、終りなきもの、止まざるものだ。作家は、「私は」と言うのを断念する、と言われる。カフカは、自分は「私は」を「彼は」に置きかえ得た時から文学に入ったと、驚きながら、ある恍惚たるよろこびをもって語っている。これは本当だが、この場合の変…