2009-01-03から1日間の記事一覧

森鷗外「靜(しづか)」

○わたし、赤ちゃんがいつまでも生れなければ好(い)と思つたわ。

夏目漱石『満韓ところどころ』

かう云ふ連中だから、大概は級の尻の方に塊(かた)まつて、何時(いつ)でも雑然と陳列されてゐた。余の如きは、入学の当時こそ芳賀矢一の隣に坐つてゐたが、試験のあるたんびに下落して、仕舞には土俵際からあまり遠くない所でやつと踏み応えてゐた。それでも…