2009-05-01から1日間の記事一覧

夏目漱石「『トリストラム、シヤンデー』」

僧侶として彼は其説教を公にせり、前後十六篇、今収めて其集中にあり、去れども是は単に其言行相(あい)背馳して有難からぬ人物なる事を後世に伝ふるの媒(なかだち)となるの外、出版の当時聊(いささ)か著者の懐中を暖めたるに過ぎねば、固(もと)より彼を伝ふ…