2010-03-03から1日間の記事一覧

北村透谷「蝶のゆくへ」

舞うてゆくへを問ひたまふ、 心のほどぞうれしけれ、 秋の野面をそこはかと、 尋ねて迷ふ蝶が身を。 行くもかへるも同じ関、 越え来し方に越えて行く。 花の野山に舞ひし身は、 花なき野辺も元の宿。 前もなければ後もまた、 「運命(かみ)」の外には「我」も…