2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧
世にわりなきは情(なさけ)の道 世の中で、人の思慮分別ではどうにもならないのが、恋の道である
あまりことばのかけたさに あれ見さいなう空行く雲のはやさよ 何とか言葉をかけてみたくて、「あれみてごらんなさいよ。空を行く雲の何と速いことよ」
うなゐ子(こ)がすさみにならす麦笛のこゑにおどろく夏の昼臥(ぶ)し 幼な子がたわむれに鳴らす麦笛の音色に、ふっと目ざめた夏の午後のなつかしさよ
これも誰(たれ)ゆえ 桜姫 こうした次第になるのも桜姫ゆえである。
縁の始(はじめ)は身の上の仇(あた)の始と成りにける 思いがけなく結ばれた二人の縁の始まりは、また二人の身の不幸の始まりとなってしまった
唯これ天にして、汝が性(さが)の拙きを泣け ただこれすべて天命であって、お前の天から与えられた生まれつきの宿運の恵まれないことを泣きなさい。
あてどの必ず違ふものは世の中 あてが必ずはずれるのが世の中だ
人間愁ひの花盛り 人間が生きてゆく上で、苦しみや悩みばかりが限りなくあり、それはちょうど愁の花が咲いたかのようである。
人間のならひ、苦しくてのみ明け暮るる 人間の性(しょう)の習いとはいえ、ただ苦悩にあふれてのみ明け暮れていく
豚的幸福
「闇があるから光がある」そして闇から出てきた人こそ、一番ほんとうに光の有難さが分るんだ
人間は、時として、充(みた)されるか充されないか、わからない欲望のために、一生を捧げてしまふ
崑山(こんざん)の璧(たま)も、乱れたる世には瓦礫にひとし 天下の名宝である崑山の璧でも、乱世においては、瓦や小石と同じようなもので、その価値が認められない
誰が選んでくれたのでもない、自分で選んで歩き出した道ですもの、間違ひと知つたら自分で間違ひでないやうにしなくちや
人間といふ奴は実によく間違ひをする。まるで間違ひをする為に何かするみたいだ
あゝ自分のやうなものでも、どうかして生きたい
地に倒るる物は地によつて立つ 地に倒れた者は、地によってのみ立ちあがることができる。失敗やつまずきの原因の中に、成功や飛躍の契機がある。
〈わたしが生んだ――・〉 どんな詩人の百行も どんな役者の名台詞も このひとことには 敵(かな)いますまい
たつた一人しかない自分を、たつた一度しかない一生を
人生は何事をもなさぬにはあまりに長いが、何事かをなすにはあまりに短い
さあ、俺も立ち上(あが)るかな まあ、もう少し坐つてゐよう
牛になる事はどうしても必要です