2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

(山口誓子)

学問のさびしさに堪へ炭をつぐ

(夏目漱石『三四郎』)

熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より頭の中の方が広いでせう

(文耕堂ら合作『ひらかな盛衰記』)

鷹は水に入(い)って芸なく、鵜は山に在って能なし どんなに有能な人でも、才能を発揮する場所にいなければその能力が生かされないということのたとえ。

(松尾芭蕉『俳諧問答』)

我(われ)骨髄より油を出(いだ)す 私が俳諧を伝えるときは、我が骨髄から油を出す苦しさなのだ。

(No Title)

一円相(いちえんそう) すべて森羅万象の根元は一に帰すると同時に、一切が相関しつつお互いをそこなわない。即ち、一つの円を見るが如くである。

(正徹『正徹物語』)

初心の程(ほど)は無尽に稽古すべきなり 初心者であるうちは、無限に稽古すべきである。

(『維摩経』)

直心是道場(じきしんこれどうじょう) ものごとを正しく見極めようとする心があれば、特別な修行の場など不要である。なぜなら、そういう心こそ、まさに修行するに適わしい道場だからである。

(一遍『一遍上人語録』)

華(はな)のことは華に問へ、紫雲(しうん)のことは紫雲に問へ、一遍は知らず 梅や桜のような花について知りたくば直接花に聞くがよい。臨終往生をする際に生ずるという紫雲(五色の雲)についても紫雲に聞けばよい。この一遍の知ったことか。

(坪内逍遥『桐一葉』)

我が名に因(ちな)む庭前(ていぜん)の梧桐(ごとう)悉(ことごと)く揺落なし、蕭條(しょうじょう)たる天地(てんち)の秋……アヽ、有情も洩れぬ栄枯盛衰、是非もなき定めぢやなア

(井原西鶴『新可笑記』)

天のなせるわざはひは避くべし。自らなせる罪は避くべからず。 天災は避けることができても、自分自身が作った罪は、それからのがれることはできない

(『古今著聞集』)

日本国は賢才をもちゐる国にはあらざりけり 日本という国は優れた才能をもった人物を優遇し、能力を発揮させることをしない国である。

(『平家物語』)

王者明(あきら)かならむとすれば、讒臣(ざんしん)これをくらうす 王者が政道を明鏡に照らすごとく正しく行なおうとしても、人を陥れようとする讒者が、王の英邁な心をくらまして判断できなくしてしまう。

(河竹黙阿弥『天衣紛上野初花』)

邪魔な所へ北村大膳(たいぜん) 北村大膳とはどんだところに邪魔な男が来たものだ。(「北村」の「北」は「来た」と掛けてある)

(近松門左衛門『夕霧阿波鳴渡』)

我が身を横に投げ入れの水仙清き姿なり 病み疲れた自分の身体を投げ出すように腰を下ろしたさまは、投げ入れの水仙のように清らかな姿である。(病気で痩せた遊女夕霧の姿態を投げ入れの白い水仙にたとえたもの)