2010-09-20から1日間の記事一覧

「蟻と松風」竹西寛子

中空に無数の羅(うすもの)の襞を寄せ続けているような松風の音が、低いけれども規則正しい波音に重なる時、なぜかものの始まりの時に立ち会わされているような自分を知らされる。私は今、どうしてここにいるのか。これからどこへ行こうとしているのか。行…