2010-10-13から1日間の記事一覧

「余白」幸田文

まぬけ鏡は裏返した畳の目と白々と薄手な天井板を映して、つくねんと邪魔っけに居すわって、三日過ぎ四日過ぎた。私はせめてその裸の表へ覆いをかけてやろうと思いたち、物差しを取った。測っていると、ふと余白があるなと気がついた。ちまちまと、いつこう…