2010-11-03から1日間の記事一覧

稲垣足穂『少年愛の美学』

笑いは、確かに凝固を解きほごす作用を持っているが、他面は一種の慣れ合いである。つまり怖いからでないのか? 恐怖すべき或物を眼前にして、これが格別に崇高とか厳粛とかの印象を与えなかった場合に、われわれは笑という誤魔かしの手によって、当のものと…

宇野千代『色ざんげ』

死ぬなどということは生きて行けないから死ぬというよりも、死ぬことが自然な気持であるような場合にふらふらとそうなるのに違いない。