2010-12-25から1日間の記事一覧

津島佑子『寵児』

光は、時間だ、と思う。二千光年。五百万光年。三千五百万光年。四十億光年。光は時間なのだ。すると、闇は時間から解放されているということになる。光と闇。が、光から本当に逃がれることのできる闇などあるのだろうか。分解された光。屈折する光。兆の単…

津島佑子『寵児』

体というものは、なんとその人に忠実なのだろう。

津島佑子『寵児』

三人。高子はその数の安定していることに強く心を魅かれた。二、ではない、四、でもない、三、という数。三角形。充実した、美しい形だ。方形もよいが、ともかく三角形がすべての形あるものの基本となっている。ドミナントだ。ド、ミ、ソ、の和音。聞き慣れ…

若林つや「野薔薇幻相」

私はまつことになれました。二十年、三十年、五十年、 私が力つきてくずおれた時、花あぶよ読経をたのみます。 野バラよその名香をたのみます。