2011-01-11から1日間の記事一覧

山田太一『いつもの雑踏 いつもの場所で』

ある年代の精神にとっては、浅薄通俗が水や空気のように必要なものであり、それを絶つと成長は活力を失う。

山田太一『いつもの雑踏 いつもの場所で』

この世には凡人の見当のつかぬ悪も善もあり、そして才能もあるのだという「おびえ」を持たなければ、見損うものが多いというのが私の持論である。

山田太一『いつもの雑踏 いつもの場所で』

四十代のサラリーマンがふたり、風を切って早足で歩いてくる。なにをしゃべっているのかと、すれちがう時耳を向けると、 「正直いってね、あそこのめんたい(明太子)食うまでは、××のが一番だと思ってたんですよね」 なんていっているのである。振りかえると…