2011-01-15から1日間の記事一覧

高橋源一郎『文学なんかこわくない』

なぜなら、文学とは、結局のところ、その国語によって、その国語に拘束された空間を超えていこうという試みだからだ。文学だけがそれを可能にする。そして、その試みの中にしか、文学の根拠はないのである。

高橋源一郎『文学なんかこわくない』

もし、現実の存在の方が虚構より、実際的というか現実的というかとにかくそういう頼りがいのあるものであるなら、苦しみ悩む人はどうしたって現実のなにかを見たり触ったりするはずである。 にもかかわらず、昔から死ぬか生きるかの瀬戸際で、人は部屋に閉じ…

高橋源一郎『文学なんかこわくない』

「生きる」ことに希望はない。おそらく、「生き直す」ことにだけ人は希望を感じる。