2011-02-05から1日間の記事一覧

宮本常一『家郷の訓』

森に風のあたる音と波の音――それは私の気象台でもあった。

宮本常一『家郷の訓』

土はあたたかいものであるとともに、またきびしいものであった。このきびしさは土に生きるものが最もよく知っていたのである。故に土の掟に従ったのである。自らの生活にそのきびしさに応えるだけの態度がなくては真に百姓は勤まらない。父はこれを、 「土の…