2011-05-26から1日間の記事一覧
「いずれあたしの一代記を書く人がいたら、その人は自分の本に『悪徳の栄え』という題をつけたらいいんじゃないかしら?」
「いちばん安心できると思ったときこそ、もっとも警戒を要するときなのよ……」
「人間たちをだましましょう。それこそ彼らに対する最大のサービスだわ……」
悪人が善人を苦しめているという、こうした悲惨な場面をいつまでも眺めているのが、罪を行う身にとってはこの上ない楽しみなのです。
「この気紛れというやつが、どうしてなかなか馬鹿にならないものでな」
言っても詮ないことでしたが、子供の時分から、趣味や習慣によって悪徳を愛して来た人でなければ、とても堕落した行為の絶えざる実行のうちに、大きな幸福を確実につかむことはむずかしいのです。美徳の退屈な道しか歩んだことのない人は、かかる幸福にけっ…
「感受性とはね、あらゆる美徳の根源であるように、あらゆる悪徳の根源でもあるのよ」
「罪の後悔なんぞする必要はない、それより、しなければならないのは美徳の後悔だよ」