2012-03-27から1日間の記事一覧

寺山修司『あゝ、荒野』

「自分は一人で死ぬのなんか嫌なんです。死ぬなら、誰かのせいで死にたい。すくなくとも、誰かに責任をのこして、そいつとの結びつきのなかで死にたい。 それが、私の考える理想的な死に方なんです」 ※斜体は出典では傍点

寺山修司『あゝ、荒野』

レコード店の中には、様々な人生案内が氾濫していた。 「どうせあたしをだますなら、死ぬまでだましてほしかった」と西田佐知子がつめよると、べつのスピーカーから植木等が、「一言文句を言うまえに、あんたの息子を信じなさい」と言いのがれていたし、吉永…

寺山修司『あゝ、荒野』

彼等は「世をしのぶ仮のすがた」のままで日々を送りながら、何時のまにかそれが「本ものの自分のすがた」になってしまっていることには気づかないのである。

寺山修司『あゝ、荒野』

――危機という名の鳥は、政治的、経済的状態のうちにではなく、人間の魂のうちにのみ見出される。

寺山修司『あゝ、荒野』

――あなたは病気にかかっていませんか? 人類が最後にかかる、一番重い病気は「希望」という病気です。

寺山修司『あゝ、荒野』

「あんたは自分を大げさに考えすぎるわ」

寺山修司『あゝ、荒野』

(歌うのは、傷を癒すためだと思っていたが、歌うことで傷つく奴もいるんだな)

寺山修司『あゝ、荒野』

「いまどき、自分の生活様式が他人の盗作でない奴があるだろうか。 オーダーメイドの洋服が商品として通用する時代だもの。オーダーメイドの思想が通用していけない訳はない」

寺山修司『あゝ、荒野』

(あれだけしゃべれるように、とは何であろうか? あれは何かを話しているのだろうか? 怖さをかくすために、ただ手当り次第に言葉を吐き出しているのに過ぎないのではないだろうか?) ※斜体は出典では傍点

寺山修司『あゝ、荒野』

「すべてのインテリは、東芝扇風機のプロペラのようだ。まわっているけど、前進しない」

寺山修司『あゝ、荒野』

「近頃の標準語なんてだめね。あんなもんは、政治しか語れん言葉だ。わしが方言を使うのは、今じゃ『人生を語る』言葉が方言だけしか残っちょらんからなんですよ。いいかね。人生を語る言葉は、方言しか残っとらんのですよ」