2012-08-23から1日間の記事一覧

戸坂潤『思想としての文学』(「娯楽論」)

娯楽は元来芸術性を有(も)っているのだ、そして芸術も最後まで娯楽的特色と絶縁することは出来ない。芸術の大衆性をまともに考えれば、そうあらざるを得ない。勿論娯楽はそのままで芸術にはならぬ。だが芸術への案内人であり客引きでなければならぬというの…

西郷隆盛「偶成」(木田元 訓注)

幾たびか辛酸を歴(へ)て志(こころざし)始めて堅し 丈夫(じょうふ)玉砕すとも甎全(せんぜん)を愧(は)づ 一家の遺事 人知るや否や 児孫の為に美田を買はず ※甎全 いたずらに身の安全を保つこと。