2012-10-17から1日間の記事一覧

ボンヘッファー『十年後』(E・ベートゲ 編『ボンヘッファー獄中書簡集』村上伸 訳)

愚かさは悪よりもはるかに危険な善の敵である。悪に対しては抗議することができる。それを暴露し、万一の場合には、これを力ずくで妨害することもできる。悪は、少なくとも人間の中に不快さを残していくことによって、いつも自己解体の萌芽をひそませている…

エーリッヒ・フロム『正気の社会』(加藤正明・佐瀬隆夫 訳)

十九世紀においては神が死んだことが問題だったが、二十世紀では人間が死んだことが問題なのだ。十九世紀において、非人間性とは残忍という意味だったが、二十世紀では、非人間性は精神分裂病的な自己疎外を意味する。人間が奴隷になることが、過去の危険だ…