2012-12-04から1日間の記事一覧

レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』(川田順造 訳)

生にとって掛け替えのない解脱の機会、それは……われわれの種(しゅ)がその蜜蜂の勤労を中断することに耐える僅かの間隙に、われわれの種がかつてあり、引き続きあるものの本質を思考の此岸、社会の彼岸に捉えることに存している。われわれの作り出したあらゆ…

ノーマン『クリオの顔 歴史随想集』(「クリオの苑に立って」)(大窪愿二 編訳)

巨匠たちの歴史作品に見られるように、歴史は決して一直線でも、単純な因果の方程式でも、正の邪に対する勝利でも、暗から光への必然の進歩でもなかった。それよりも歴史は、すべての糸があらゆる他の糸と何かの意味で結びついているつぎ目のない織物に似て…