2012-12-06から1日間の記事一覧

キルケゴール『あれか、これか』(浅井真男 訳)

ぼくは子供と話すのが最も好きだ。彼らからは、彼らがいつか理性的存在になりうることを期待できるからだ。しかし理性的存在になった者たちときては――やれやれ!

ゴッホ『ファン・ゴッホ書簡全集』(アントウェルペン 一八八五年一二月一九日ごろ)(二見史郎 訳)

しかし、ぼくはカテドラルよりは人びとの眼を描きたい。カテドラルがいかに荘厳で、圧倒するような印象を与えようと、そこにはない何かが人間の眼にはあるからだ。一人の人間――それが哀れなルンペンであろうと、夜の女であろうと――の魂はぼくの眼にはもっと…

トゥキディデス『戦史』(久保正彰 訳)

されば今ここで諸君の決心を要求する。身に害を蒙るまえに屈服するか、それとも、私がよしと判断するように、戦うか、そして若し戦うとすれば、原因の軽重いかんにかかわらず妥協を排し、汲々たる現状維持を忌否する態度を決して貰いたい。なぜならば、対等…