2012-12-26から1日間の記事一覧

宮本武蔵『五輪書』

目の付けやうは、大きに広く付くる目也。観見(かんけん)二つの事、観の目つよく、見の目よはく、遠き所を近く見、ちかき所を遠く見る事、兵法の専(せん)也。敵の太刀をしり、聊(いささか)も敵の太刀を見ずといふ事、兵法の大事(だいじ)也。

中谷宇吉郎「貝鍋の歌」

住みついてみると、北海道の冬は、夏よりもずっと風情がある。風がなくて雪の降る夜は、深閑として、物音もない。外は、どこもみな水鳥のうぶ毛のような新雪に、おおいつくされている。比重でいえば、百分の一くらい、空気ばかりといってもいいくらいの軽い…